Wake up people in 3AM! -井口理ANN0-

時には

白日 / King Gnu

音楽史上一番繊細な歌い出しである。千鳥ノブがゴチで放った繊細な味への例えは、“KingGnuの歌い出し”がTwitterでトレンド入りするほど広く共感されるものであった。

昨年スターダムへの階段を駆け上ったKingGnuだが、階段を駆け下りた男がいるバンド、という印象も世間では強い。

Mステで奇行を繰り返すこの男こそ、KingGnuのキーパーソン井口理である。昨年のKingGnuの爆ハネは、楽曲だけでなく井口のキャラも影響していると考えている。

そんな彼が昨年4月からパーソナリティを務めたKingGnu井口理のオールナイトニッポン0は、午前3時からという時間にも関わらずラジオ界そして音楽界に一石を投じる革命的なものだった。

変態?天才?

開始当初、まだ知名度も低かった彼はとにかく宇垣美里が好きなことを訴え続けた。怪しい見た目、膨らませる妄想でとにかくヤバめの人だという認識が早々につきはじめ、リスナーにイジられ放題になっていった。深夜ラジオにはもってこいの人物である。

彼が番組冒頭で名乗る際、「ロックバンドKingGnuのボーカル・キーボード、井口理がお送りしている…」と毎週“ロックバンド”であることを告げていた。

それを証明してみせたのが、KingGnu4人で行ったスタジオライブだ。「白日」など4曲をアコースティックで披露し、井口そしてKingGnuの実力をリスナーに知らしめたのだった。MV制作を行うPERIMETRONが動画配信を担当し、普段のラジオとは異なる井口の顔を幻想的に映しだしていた。

少し背の高い井口

この番組を語る上で、aikoの話をしない訳にはいかない。言わずと知れたベテランカブトムシaikoは、昨年10月と今年2月の2回ゲスト出演している。

年齢もキャリアも異なる2人だが、恋人同士のようなやり取りは聴いていて微笑ましい。その相思相愛っぷりは、椎名林檎に「(井口は)aiko派なんでしょ」と言わしめるほどである。

井口がめちゃくちゃ歌うのがこの番組の魅力のひとつだが、2月のaiko回では変革が起きた。当初、aikoがツアー中のため井口だけが歌う予定だった「カブトムシ」。ところが井口が歌っている途中、aikoはマイクを握り、一緒に歌い出したのである。

井口はとっさにサビの主旋律をaikoに譲り、即興でハモり出した。ハモりながら相思相愛の2人が立ち上がり手を合わせる光景は凄まじい幸福感で、明け方4時の光景とは思えなかった。

R.N 恋するウサギちゃん

また、井口が敬愛しているポルノグラフィティも番組では重要な位置づけだ。

姉の影響で小さい頃からポルノを聴いてきた井口は昨年6月、ポルノのデビュー20周年を祝うべく“勝手にポルノグラフィティ20thAnniversaryRadio”を開催。ブースにカラオケ機材を持ち込み、1時間半ポルノの曲を勝手に歌いまくった大好評の回となった。

そして今年も、“勝手にポルノグラフィテ21thAnniversaryRadio“を開催。前回同様、カラオケでポルノを勝手に歌いまくるはずだった。

「ミュージック・アワー」の間奏で、恒例の井口の「めー!めー!」で盛り上がるブースに「めー!って何よ⁈」とポルノグラフィティのボーカル岡野昭仁が乱入。驚く井口と変な踊りをする岡野、これも明け方4時にはもったいない光景だった。2人は「アゲハ蝶」で交互にハモり合うという超絶パフォーマンスを繰り広げ、ラジオ史に残すべきエモーショナルな回となった。

岡野が首にかけているのはKingGnuタオル!

岡野が乱入した回で、とても印象深かった言葉がある。

「会いたかったよ、井口くん」

岡野昭仁 / ポルノグラフィティ

何気ない言葉だが、デビュー21年の大ベテランがデビューから1年の井口理にそう言っていたのがとても感慨深かった。KingGnuの楽曲のクオリティやセンス、そして井口の人柄の良さがaikoや岡野など、様々な大御所アーティストに認められ愛されていることが自分のことのように嬉しかった。

我々リスナーもいつしかその魅力に気づき、どんどんラジオの沼にハマっていったのである。

井口はリスナーに改めて音楽の楽しさを教えてくれた。私はこの番組を通してaikoやポルノグラフィティの楽曲を聴くようになったし、テレビにKingGnuが出ていると身内が出ているような親近感を覚えるようになった。井口は最近ナレーションや俳優としても活動しているが、それは確実にこの番組のおかげと言えるだろう。

そんな井口理のオールナイトニッポン0は、今週最終回を迎える。今まで怒涛のゲストたちが登場してきたため、誰が来るのか、何をするのか全く読めない。木曜深夜3時、井口の最後の言葉に耳を傾けてみよう。

文責:永村