ジャニー喜多川さんを偲んで

小さい頃は、ニュースの訃報に対して正直何とも思っていなかった。“昭和の大スター”的な見出しとともに擦り切れたような昔の映像が映し出され、名前の横には「故」と添えられていた。平成以降しか知らない私としては、昭和の大スターも見たことないおじいさんおばあさんでしかなく、訃報に思いを募らせることもほとんどなかった。

しかし最近では大杉漣さんや樹木希林さん、音楽界でも内田裕也さんやヒトリエのwowakaさんなど、日頃からよく目にしたり耳にしたりしているあの人たちが次々に亡くなっている。ずっとあると思っていたものが突如無くなってしまった悲しみは、小さい頃みていた訃報では感じられなかったものであり、自分が生きている限り避けられないものである。

87歳、大往生

そして先日、ジャニーズ事務所創業者であるジャニー喜多川さんが亡くなった。彼が動いている姿を見たことはないが、ジャニーズ所属のアイドルたちがこぞって「この間ジャニーさんが…」とテレビなどで頻繁に彼の言動をマネしながら話題にするため、間接的に国民から愛されるキャラクターを確立していた。所属アイドル皆のことを「you」と呼んでいるのは多くの人が知っているだろう。ちなみに自分のことは「me」と言っていたそうだ。

ジャニーさんは1962年の「ジャニーズ」から2018年の「King & Prince」、そしてジャニーズJr.に至るまで数えきれないほどの男性アイドルグループをプロデュースしてきた。その偉業は凄まじいもので、「最も多くのコンサートをプロデュースした人物」「最も多くのナンバーワンシングルをプロデュースした人物」「チャート1位を獲得した歌手を最も多くプロデュースした人物」として3つのギネス記録を持っている。色んな現場に自分が載っているギネスブックを持ち歩き、所属タレントに「ギネス獲ったんだよ」と嬉しそうに自慢していたという話はファンの間では有名な話だ。

独自のスタイルを貫く

ジャニーズのアイドルたちが生む経済効果は日本随一のものであり、その戦略も独特で他には真似できないようなものが多い。そのうちの一つとして、ジャニーズの楽曲はサブスク配信を一切していない。細かい理由は分からないが、配信をしなくてもファンはお金を出して聴くし、それだけで十分な人気を獲得できるのだろう。時代の流れに逆行するようなこの経営戦略はしばらく揺るがないと思うが、私は是非とも配信して欲しいと常々思っている。

あいみょんの人気に火が付き紅白出場までやってのけたのは、サブスクのおかげだと言われている。口コミで話題になった曲が自分の手元でもすぐに聴けて、それをシェアすることも容易にできる。私はサブスクにある曲を試しに聴いてみるのが好きで、それをきっかけに全く知らなかったアーティストを好きになったりもする。逆に言うと、サブスクにない曲を聴かなくなってしまっている。ジャニーズの楽曲は配信されていないため、何かの主題歌や音楽番組でない限り耳にすることがほとんどない。“本当にジャニーズが好きな人以外“の人は、それがどんなにいい曲だったとしてもジャニーズの楽曲を聴かない時代が訪れている。

絶対に聴くべき名曲たち

ジャニーズが聴かれない時代は続いてほしくないので、最後にジャニーズの中でも特に好きな嵐とSMAPの好きな楽曲をスペースの許す限り列挙していこうと思う。ここでSpotifyのリンクを張ってシェアできれば30秒の視聴ができるのだが……あらゆる手段を駆使して是非とも聴いてほしい。

文字通りの国民的アイドルとなった嵐が来年いっぱいで活動を休止する。母の影響でどっぷりとハマった嵐が一旦いなくなる。一度でいいから生で観てみたかったが、それは遠い先までお預けのようだ。

好きな曲:明日に向かって, a Day in Our Life, WISH, Oh Yeah!, 風の向こうへ, きっと大丈夫, Crazy Moon~キミ・ハ・ムテキ~, SUNRISE日本, 時代, 台風ジェネレーション, truth, To be free, とまどいながら, Troublemaker, ナイスな心意気, 夏の名前, ハダシの未来, 果てない空, Hero, Beautiful days, Believe, ファイトソング, movin’on, 揺らせ、今を, Lucky Man, Love Rainbow, Re(mark)able, Still…, 明日に向かって吠えろ, A・RA・SHI, PIKA☆NCHI, 言葉よりも大切なもの, We can make it!, …

SMAP

世界中で愛されていたSMAPが解散に向かっていったあの数ヶ月間は、本当に心苦しかった。シングル50曲を40分ぶっ通しで披露したスマスマ生放送は録画して何度も何度も観たし、未だに実家のハードディスクに残っている。ゲス川谷や赤い公園津野など、新進気鋭のアーティストが多く楽曲提供をしていたのも印象的だった。

好きな曲:笑顔のゲンキ, 君は君だよ, $10, 君色思い,オリジナルスマイル, がんばりましょう, SHAKE, ダイナマイト, SUMMER GATE, BANG! BANG! バカンス!, Dawn, Dear WOMAN, ありがとう, この瞬間、きっと夢じゃない, さかさまの空, Battery, Joy!!, シャレオツ, 愛が止まるまでは, KANSHAして, 弾丸ファイター, Mistake!, 雪が降ってきた,…

曲を思い出すために嵐やSMAPを今一度聴いてみたが、それだけで幸せな気持ちになれた。ジャニーさんがいなかったらこれらの楽曲は生まれなかったのである。本当に偉大な存在だ。

ご逝去を悼み謹んでお悔やみ申し上げるとともに、ご冥福をお祈りいたします。

文責:永村